東京地方裁判所 昭和45年(ワ)6467号 判決
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〔判決理由〕(一) 車両等損
<証拠>によれば、本件被害車は事故当日引渡を受けた新車で、車両代は金六九万二〇〇〇円であつたが、税や手数料、ローン保証料を含め、金八〇万六九三九円であつたこと、原告は、被告車が本件事故により全損となつたため、昭和四四年一二月三日、新品の同車種普通乗用車を、総計金八九万一四七六円で購入するにいたつたこと、その内訳は車両代金六九万二〇〇〇円、強制保険料金一万七二三〇円、自動車税金一万円、自動車取得税金一万八三九〇円、登録手数料金二五〇〇円、下取手数料金一五〇〇円、月賦手数料その他金一四万九八五六円であること、しかし、原告は、その際、本件被害車を金一〇万円で下取りしてもらつたことが認められ、右認定に反する証拠はない。
それによると、原告は、被害車の市場価格と下取価額との差額および本件事故がなければ支出を免れたであろうところの税金や手数料等を支出したことによる損害を蒙つたことは明らかである。
そこで、原告の蒙つた損害を算定するに、たとえ新車であつても、一たん顧客の手に渡り、使用されたものの市場価格が急激に低廉となることは公知の事実であるから、これを考慮に入れて、損害額は、次のとおり金五七万九七九〇円と算定される。
1 車両損 金五五万七四〇〇円
購入日の事故であることに鑑みると、被害車の事故時の市場価格は、少なくとも新車代価の九割五分であつたと認めるのが相当である。その算式は次のとおりである。
692.000×0.5−100.000=557.400
2 自動車取得税 金一万八三九〇円
3 登録手数料 金二五〇〇円
4 下取手数料 金一五〇〇円
なお、原告は蒙つた損害として、強制賠償保険料、自動車税、月賦手数料をも含めて請求しているが、保険料については二重に支出したことを認めることができないから、(被害車購入に際し、強制賠償保険料を支払つたことを認めることのできる証拠はない。)これを認めるのは相当でないし、自動車税についても、同税は納税義務が消滅した場合はその月まで月割で支払えば足り、また納期等の関係で事故がなければ支払を免れたとは認めることができず、さらに月賦等の手数料を損害と見えないことは当然であるのでこの点の原告の請求は理由がない。
(田中康久)